弁護士法人  本江法律事務所

福岡市の法律事務所
西鉄大牟田線「西鉄福岡(天神)」駅・地下鉄空港線「天神」駅より徒歩3分

弁護士コラム

当事務所の弁護士が更新するコラムを掲載しています。法務にまつわる様々な話題を発信していきます。
Topページ > 弁護士コラム > 労務相談事例

労務相談事例

以前からたまにいただくご相談の一つで、

「自社を退職した元従業員が同業他社に勤務しているが、問題ではないか」

というものがあります。

憲法上保障された職業選択の自由(憲法22条1項)に鑑みると、原則として、退職した従業員が同業他社に就職することは禁止されていません。

しかし、個別に誓約書などで、退職後の同業他社への就職を禁止したり、独立して競業を行うことを制限すること自体が禁止されているものではありません。

裁判例上は、競業禁止とする必要性や、制限範囲の明確化(業種や職種、期間、地域的な限定)に加え、代償措置の有無(要するに代償としての金員支払いの有無)、当該従業員の地位・業務内容等を考慮して、合理的な範囲の制限に留める必要があるとされる場合もあります。

一方で、最高裁(三晃社事件昭和52年8月9日判決)は、同業他社に就職した場合の退職金をそうでない場合の半額とする旨の退職金規程に基づく元従業員に対する返還要請について、その規程に基づく措置に合理性がないとはいえないとし、かつ労基法(損害賠償予定の禁止、賃金全額払の原則)違反にもならないとされ、競業避止義務違反のペナルティとして退職金を減額することも選択肢であることが示されました。

現実の事案でも、上記のような合理性の基準をきちんと検討して判断をすることが必要です。

ページの先頭へ