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【労働問題】★働き方改革(その④)★同一労働同一賃金(Part2)について

前々回「同一労働同一賃金(Part1)」では、期間の定めのある労働者と定めのない労働者の間に「不合理な待遇格差」があってはならないという考え方についてご説明しました。

 「不合理な待遇格差」かどうかについて、裁判例はどのように判断しているのでしょうか?

 その一例として、「比較される労働者の職務の内容、配置変更の範囲の他、格差が問題となる個々の待遇ごとに、当該待遇の性質や目的を参照しながら、個別具体的な判断をする」という手法があります。

 

 例えば、正社員(新一般職)と契約社員(時給制)の格差が問題とされた日本郵便(東京)事件(東京地判平成29年9月14日)の判断を見てみましょう。

 この事例では、両社員の間には勤務時間や業務の内容及び役割などの違いがありました。労働内容に違いがあれば、労働条件に違いがあっても、全体として正当化されるのではないか、というのが争点でした。

 しかし、裁判所は、違いがあった労働条件のうち、年末年始勤務手当、住居手当、夏期冬期休暇及び病気休暇といった個別の労働条件の違いを比較して、格差が不合理であると認めています。

 例えば、病気休暇については、病気休暇の目的が労働者の健康保持にあることから、有給の病気休暇がまったく認められていない契約社員と少なくとも90日の有給病気休暇が認められている正社員との間の格差は不合理である断されています。

 ポイントは契約社員に有給の病気休暇が全く付与されないこと正当といえるかどうか?」というところです。

 

 制度の目的から考えて、「全く付与しない」ということは、正社員と契約社員の労働内容や役割の違いを根拠に正当化することはできない、と判断されたのです。

 一方で、正社員が、長期雇用が前提となっているところ、有為な人材の確保、定着を図るため、契約社員と異なり、有給の病気休暇を付与することには一定の合理的な理由があるとされました。

 有給休暇の日数について正社員を優遇することは、その程度次第でしょうが、合理性が認められる、という判断です。

 他の労働条件についても、その趣旨や違いの程度を踏まえて、個別に合理性が判断されたのです。

 

 正社員と契約社員との間に労働条件の差を設けることは一般的にみられることですが、正社員に認められる優遇措置が契約社員に「全く」認められていないというケースなど、格差を正当化できる理由があるか、改めて検討されてみたほうがよいでしょう。

 

 現在、厚生労働省が「同一労働同一賃金」の実現に基づき、正規労働者と非正規労働者との間の労働条件格差について、ガイドライン(案)が公表されています。

 今後の法改正の可能性も踏まえると、労働条件の見直しに当たっては、このガイドライン(案)を参考にすると良いでしょう。

 

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【労働問題】★働き方改革(その④)★同一労働同一賃金(Part2)について

前々回「同一労働同一賃金(Part1)」では、期間の定めのある労働者と定めのない労働者の間に「不合理な待遇格差」があってはならないという考え方についてご説明しました。

 「不合理な待遇格差」かどうかについて、裁判例はどのように判断しているのでしょうか?

 その一例として、「比較される労働者の職務の内容、配置変更の範囲の他、格差が問題となる個々の待遇ごとに、当該待遇の性質や目的を参照しながら、個別具体的な判断をする」という手法があります。

 

 例えば、正社員(新一般職)と契約社員(時給制)の格差が問題とされた日本郵便(東京)事件(東京地判平成29年9月14日)の判断を見てみましょう。

 この事例では、両社員の間には勤務時間や業務の内容及び役割などの違いがありました。労働内容に違いがあれば、労働条件に違いがあっても、全体として正当化されるのではないか、というのが争点でした。

 しかし、裁判所は、違いがあった労働条件のうち、年末年始勤務手当、住居手当、夏期冬期休暇及び病気休暇といった個別の労働条件の違いを比較して、格差が不合理であると認めています。

 例えば、病気休暇については、病気休暇の目的が労働者の健康保持にあることから、有給の病気休暇がまったく認められていない契約社員と少なくとも90日の有給病気休暇が認められている正社員との間の格差は不合理である断されています。

 ポイントは契約社員に有給の病気休暇が全く付与されないこと正当といえるかどうか?」というところです。

 

 制度の目的から考えて、「全く付与しない」ということは、正社員と契約社員の労働内容や役割の違いを根拠に正当化することはできない、と判断されたのです。

 一方で、正社員が、長期雇用が前提となっているところ、有為な人材の確保、定着を図るため、契約社員と異なり、有給の病気休暇を付与することには一定の合理的な理由があるとされました。

 有給休暇の日数について正社員を優遇することは、その程度次第でしょうが、合理性が認められる、という判断です。

 他の労働条件についても、その趣旨や違いの程度を踏まえて、個別に合理性が判断されたのです。

 

 正社員と契約社員との間に労働条件の差を設けることは一般的にみられることですが、正社員に認められる優遇措置が契約社員に「全く」認められていないというケースなど、格差を正当化できる理由があるか、改めて検討されてみたほうがよいでしょう。

 

 現在、厚生労働省が「同一労働同一賃金」の実現に基づき、正規労働者と非正規労働者との間の労働条件格差について、ガイドライン(案)が公表されています。

 今後の法改正の可能性も踏まえると、労働条件の見直しに当たっては、このガイドライン(案)を参考にすると良いでしょう。

 

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