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【労働問題】年次有給休暇について

こんにちは。

今回の労働法コラムでは「年次有給休暇」について取り上げてみたいと思います。

厚生労働省が作成した就労条件総合調査の概況によると、我が国の年次有給休暇(「有給」ということもありますが、以下では「年休」といいます。)の取得率(労働者が取得した年休日数/企業が付与した年休日数×100)は、平均48.2%(平成24年度~平成28年度)と各年50%を切っています。

 この現状を改善するため、現在検討されている労基法改正の中で、年休の取得方法について議論がされています。

 

 そもそも年休とはどんな制度なのでしょうか?

 一旦ここで、年休の制度について簡単に確認をしていきましょう。

 年休は、 

  ①6か月間継続して勤務し、

  ②全労働日の8割以上出勤した労働者

に与えられるものです。上記要件を満たした場合に、年休が法によって与えられるため、年休取得に使用者の承諾は必要ありません。

 もっとも、年休を実際に取得するためには、労働者は、年休をとりたい日にちや期間を指定する必要があります時季指定権の行使)。

 そして、その日にちまたは期間に休暇を与えることが「事業の正常な運営を妨げる場合」に、使用者は、労働者に対し、当該日にちまたは期間の年休取得を承認しないことができます(時季変更権の行使)。

 この「事業の正常な運営を妨げる場合」に該当するかどうかを巡って、争いになる場合があります。

 これに該当するかの判断は、一般に,当該労働者の所属する事業場を基準として,事業の規模,内容,当該労働者の担当する作業の内容,性質,作業の繁閑,代行者の配置の難易,労働慣行等の事情を考慮して客観的に判断すべきであるとされています。

 特に使用者の立場で気をつけなければならないことは、「使用者はできるだけ労働者が指定した時季に休暇を取れるよう状況に応じた配慮をすること」が求められているため、例えば、ある労働者が年休を取得するとしたら所属部署の仕事が忙しくなる、ということのみでは「事業の正常な運営を妨げる場合」であるとは認められないということです。

 現実に、どんな支障が生じるか、その支障を回避するためには、その労働者に出勤してもらわないといけないのか、ケースごとに考えることになります。

 以上が、労働者の年休取得についての基本的知識です。年休は、労働者に付与された日数について、基本的に労働者が自分の好きな時間に自由に取得できるものといえます。

 しかしながら…業務のしわ寄せ等を理由に、労働者自身が年休取得をためらってしまう場合があります。

 

 そのような企業様では計画年休制度を活用してはいかがでしょうか。

 計画年休とは、「労使協定を締結することで、労使の間で合意した時季に年休が付与され、その日数分、労働者個人の時季指定権が排除される」というものです。その範囲では、労働者個人が時季指定権を行使できなくなる一方で、気兼ねせずに年休が取れる制度として評価できます。

 労働者の年休取得率を上げることは、企業イメージアップに役立つことと思いますので、計画年休制度を是非ご活用ください。

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【労働問題】年次有給休暇について

こんにちは。

今回の労働法コラムでは「年次有給休暇」について取り上げてみたいと思います。

厚生労働省が作成した就労条件総合調査の概況によると、我が国の年次有給休暇(「有給」ということもありますが、以下では「年休」といいます。)の取得率(労働者が取得した年休日数/企業が付与した年休日数×100)は、平均48.2%(平成24年度~平成28年度)と各年50%を切っています。

 この現状を改善するため、現在検討されている労基法改正の中で、年休の取得方法について議論がされています。

 

 そもそも年休とはどんな制度なのでしょうか?

 一旦ここで、年休の制度について簡単に確認をしていきましょう。

 年休は、 

  ①6か月間継続して勤務し、

  ②全労働日の8割以上出勤した労働者

に与えられるものです。上記要件を満たした場合に、年休が法によって与えられるため、年休取得に使用者の承諾は必要ありません。

 もっとも、年休を実際に取得するためには、労働者は、年休をとりたい日にちや期間を指定する必要があります時季指定権の行使)。

 そして、その日にちまたは期間に休暇を与えることが「事業の正常な運営を妨げる場合」に、使用者は、労働者に対し、当該日にちまたは期間の年休取得を承認しないことができます(時季変更権の行使)。

 この「事業の正常な運営を妨げる場合」に該当するかどうかを巡って、争いになる場合があります。

 これに該当するかの判断は、一般に,当該労働者の所属する事業場を基準として,事業の規模,内容,当該労働者の担当する作業の内容,性質,作業の繁閑,代行者の配置の難易,労働慣行等の事情を考慮して客観的に判断すべきであるとされています。

 特に使用者の立場で気をつけなければならないことは、「使用者はできるだけ労働者が指定した時季に休暇を取れるよう状況に応じた配慮をすること」が求められているため、例えば、ある労働者が年休を取得するとしたら所属部署の仕事が忙しくなる、ということのみでは「事業の正常な運営を妨げる場合」であるとは認められないということです。

 現実に、どんな支障が生じるか、その支障を回避するためには、その労働者に出勤してもらわないといけないのか、ケースごとに考えることになります。

 以上が、労働者の年休取得についての基本的知識です。年休は、労働者に付与された日数について、基本的に労働者が自分の好きな時間に自由に取得できるものといえます。

 しかしながら…業務のしわ寄せ等を理由に、労働者自身が年休取得をためらってしまう場合があります。

 

 そのような企業様では計画年休制度を活用してはいかがでしょうか。

 計画年休とは、「労使協定を締結することで、労使の間で合意した時季に年休が付与され、その日数分、労働者個人の時季指定権が排除される」というものです。その範囲では、労働者個人が時季指定権を行使できなくなる一方で、気兼ねせずに年休が取れる制度として評価できます。

 労働者の年休取得率を上げることは、企業イメージアップに役立つことと思いますので、計画年休制度を是非ご活用ください。

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