企業が契約書を作成するときのポイントを弁護士が解説

契約書の重要性

企業が事業活動を行う上で必ず必要になってくるのが契約、そして契約書です。ただ、多くの経営者が、裁判になったときのために契約書を作成しなければならない、という理解をしているように思われます。そういった理解から、「この人は信用できるから、大丈夫」「裁判になることはないから、問題ない」といった理由で、契約書を作らずに取引(特に、本業とは別のイレギュラーな取引など)をしてしまうケースも散見されます。また、契約書を作成したものの、弁護士に相談するまでもないと即断し、自分で作った結果、裁判では使い物にならない契約書になっていることも、よくあります。そういった経験を踏まえた契約書作成のポイントを解説します。

契約書の作成に先立つ確認事項

契約書の作成に先立ち、その契約が民法上の典型契約に該当するかどうかを判断します。判断の仕方としては、何に対価が支払われるか、ということを中心に検討することになります。モノに対する対価であれば、売買契約や賃貸借契約、サービスに対する対価であれば、請負契約や委任契約、といったところです。「業務委託契約」は、後者のサービスに対して対価を支払う契約類型ですが、雛形によって、委任契約である場合も、請負契約を意味する場合もあるため、注意が必要です。

また、契約の当事者が誰かを正確に把握することも重要です。例えば、建物の転貸借契約を締結する場合、当事者は賃借人と転借人ということになりますが、契約書には賃貸人と賃借人だけが署名している、といったケースもあり、それでは転借人に対する責任追及の場面で契約書が機能しない可能性があります。

契約書作成時のチェックポイント

①契約書のタイトルをどうするか。

契約内容を端的に表現するのが原則です。ただ、「覚書」や「合意書」といった軽い感じにすることで、相手も署名しやすいものになるといった配慮が必要な場面もあります。

②印紙を貼る必要があるかどうか。

印紙税法上の課税文書かどうかを確認します。

③前文

誰と誰がどういう内容の書面を締結しようとしているかを簡潔に記載します。

④目的

契約解除ができるかどうかは、契約の目的を達することができるかどうかと関係する場合があるので、明確にする必要があります。

⑤権利義務の内容

対価の金額や支払時期、条件などが明確であることは当然ですが、提供するモノやサービスの内容については、適宜、別紙や仕様書などを作成して、詳細に特定することによって、当事者間の認識にズレがないようにすることが重要です。特に、請負契約では、仕事が完成したと言えるかどうかを判断する基準は、契約時の仕様に係ってきます。

⑥条件、期限、存続期間

当事者間で合意した条件の明確化や、契約期間などは、漏れる場合もあります。条件が満たされなかった場合に、契約がどうなるか、契約期間経過時に更新があるかないか、といったことも含めて検討が必要です。

⑦契約書作成日

契約が作成された日が記載されていない契約書も散見されます。また、契約書作成が遅くなってしまった場合、実際に作成された日と異なる記載をするケースも見受けられますが、契約書の信用性にかかわる部分ですので、できる限り作成した日を記載することが重要です。

⑧当事者の署名捺印・記名押印

法人の場合には、代表者の署名または記名と押印が必要です。昨今の脱印鑑の流れで、署名だけ、というケースも見受けられますが、誰が作成したかということが争いになる場面では、筆跡で判断するのが困難だったりしますので、紙ベースでの作成の場合には、記名押印の方が分かりやすいです。

まとめ

契約書の作成に際して、検討すべき事項は多岐に渡ります。もちろん、インターネット上の無料の雛形を引っ張ってきて、そのまま使えば、何となく契約書はできあがりますが、肝心の「トラブル予防」には役立たないかもしれません。特に高額な対価や長期間に渡る契約書の場合、「訴訟経験」のある弁護士の視点でチェックしてもらうことは重要です。

福岡・天神の法律事務所である当事務所は、企業が当事者となって、契約書を巡る紛争も多々取り扱ってきました。福岡には、起業家を育成しようという福岡市の方針もあり、多くのベンチャー企業も存在し、そういった企業では、法務のことにはコストや時間をかけずに事業に専念したいという起業家も多いのが実情です。

最初は仕方ないにしても、成長した後に、そのことで足元をすくわれるのは大変もったいないです。ぜひ、企業の法務を熟知した弁護士に、契約書の作成・確認をご相談いただければと思います。

 

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