労働審判への対応|福岡の顧問弁護士

労働審判への対応|福岡の顧問弁護士

弁護士法人本江法律事務所では、使用者側が労働審判を申し立てられた場合に、労働審判に関する豊富な実績に基づき最適なご支援を実施いたします。

労働審判についてお困りの際にはぜひ一度弊所へご相談ください。

 

労働審判を申立てられた場合の注意点

使用者側が労働審判を申し立てられた場合、以下の点に注意して対策を講じる必要があります。

  1. すぐに弁護士に相談し、迅速な対応を行う。
  2. 第1回期日から最重要!
  3. 事実関係を整理し会社側の主張すべき事情を洗い出す。
  4. 労働法を概括的に理解したうえで論点を把握しておく。
  5. 想定問答を必ず行う。

 

労働審判とは?

1.労働審判の概要

労働審判は、労働審判法に基づく制度であり、訴訟よりも少ない負担で実効的にトラブルを解決できる制度です。労働審判では、話し合いがまとまらない場合に、労働審判委員会が審判という一定の判断を下します。

労働審判委員会は、労働審判官(裁判官)1人と、労働関係に関する専門的な知識・経験を有する労働審判員(労働組合の役員や企業の人事労務担当者等)2人によって構成されます。

労働審判の対象となる事件は、会社を解雇されたり、給料が支払われなかったりした場合のような、使用者と労働者の間の民事紛争(個別労働関係民事紛争)です。

2.労働審判に要する期間

労働審判のおおまかな流れは下図のとおりです。

労働審判への対応と流れ|福岡の顧問弁護士

3.労働審判に要する費用

労働審判に要する費用は、事案の内容や請求額により大きく幅がありますが、仮に請求額200万円である場合、一般的には以下の相場観となります。

印紙代等の実費・・・・・・ 7,000円~ 40,000円

弁護士費用(着手金等)・・100,000円~300,000円

弁護士費用(報酬金等)・・300,000円~600,000円

※着手金・報酬金は経済的利益の金額の〇%と定められるのが一般的です。経済的利益の額とは、請求側の場合には請求が認められた金額、請求を受けた側の場合には請求額を減額できた金額となります。

労働審判への対応

① すぐに弁護士に相談し、迅速な対応を行う

労働審判では、原則として、申立て後40日以内に第1回期日が設定されます。また、使用者側の主張を記載した答弁書の提出期限は、第1回期日の1週間前に提出することが求められます。そのため、使用者は、申立てがなされてから1か月足らずのうちに労働審判対応の準備を整えておく必要があります

労働審判の準備を行うにあたって、上記の短時間で、弁護士との面談を以下のとおり少なくとも3回は実施する必要があります

◆概要のヒアリング

労働審判の申立内容、これまでの経緯、使用者側の雇用制度や労務管理状況等をヒアリングします。それを踏まえて使用者側の主張の方向性を協議します。

答弁書作成のための打合せ

弁護士が答弁書を作成する基礎として、さらに詳細に事実関係を聴取し、証拠を整理するため、打合せを行います。

想定問答

労働審判期日では、審判官や審判員から当事者が直接質問を受ける審尋が行われます。そこで、想定問答を事前に準備しリハーサルを実施しておくことが重要となります。

労働審判期日は、労働審判官が一方的に決定します。そのため、使用者や弁護士の都合がつかないという事態も想定されます。そのような場合には裁判所に対し期日変更の申立てを行う必要がありますが、この変更は時期を逃すと認めてもらえないこともあります。
他方で、労働審判申立て前から弁護士が代理人としてついている場合には、通常は弁護士に対して裁判所側から連絡があり、期日の予備調整を行ってもらえます。

したがって、労働審判の迅速な準備を行う必要性、期日調整の必要性の観点から、労働者側から何かしらの請求等がなされた場合、労働審判申立てがされていない場合でも、その段階で弁護士に相談し対応を依頼することが望ましいです。

② 第1回期日から最重要!

労働審判期日は3回まであり得ますが、第1回期日までに審判委員会の心証はほとんど決まってしまいます。そのため、答弁書や当事者の審尋を通して、第1回期日までに全ての主張を説得的に行う必要があります。

労働審判では、第1回期日で審判委員会から和解を提案されることも多々あります。そのため、徹底的に争うのか、どのような内容であれば和解を受けるか等、早い段階で事件の筋を見極めて落としどころを考えておく必要があります。

提出した証拠について、審判員には事前に配布されておらず、期日直前に目を通すという運用が一般的です。そのため、重要な証拠についてはそのポイントを見やすく工夫することが必要です。

③ 事実関係を整理し使用者側の同情すべき事情を洗い出す

労働審判は期日3回以内の短期決戦であるため、事実認定や法適用は概括的なものとなります。また、労働審判は0か100かの判決を出すような制度ではなく、あくまで調停による解決を目指す制度です

そのため、使用者側に同情すべき事情を丁寧に掬い取り、過去の判例等に照らしつつ効果的に主張することで、使用者側に有利な解決を得られる可能性が高まります。使用者側が懲戒処分や解雇処分等を行う場合には、それ相応の事情があることが一般的であり、その事情をいかに審判委員会に説得的に主張できるかが重要です。

④ 労働法を概括的に理解したうえで使用者側の論点を把握しておく

労働に関する法律等を総称して一般に労働法と呼びますが、「労働法」という名称の法律はありません。労働基準法、労働組合法、労働契約法など、労働に関する法律は多岐にわたることから、一般的に使用者側が労働法のすべてを理解することは困難であり、どうしても会社の運用上穴が生じてしまいます。

そのため、実際に労働審判を申し立てられたとしても、何を主張されていて何が問題となっているのか?何を主張して何の証拠を提出すれば良いのか?がわからず手続きが進行してしまい、気づいた時には手遅れといったことにもなりかねません。

そこで、弁護士に相談することで、関連する労働法の制度等、使用者側の労働法上の弱点、個別事案における論点等を分かりやすく整理し、迅速かつ適切な対応を行っていく必要があります

また、使用者側が労働法の制度・ルールや趣旨(主に労働者保護が多い)を理解していることを審判官にアピールすることで、審判員の心証が良くなる効果も期待できます

⑤ 想定問答を必ず行う

第1回期日では、使用者側の代表者や担当者等に対する審尋が行われます。この審尋において、答弁書の主張の信頼性を見るとともに、不明な点を確認されます。

この審尋において、弁護士がその場で助言を行うことは可能であるものの、あくまで当事者本人に対するものであることから、当事者自身で発言する必要があります。もしここで自信のない態度や一貫性に欠ける発言をした場合、主張の信用性を失い、不利な心証形成がなされる可能性があります

そこで、第1回期日の前に、弁護士との間で想定問答を行い、リハーサルを行っておくことで、本番で堂々と論理矛盾のない審尋を行えるようにしておく必要があります

一般的に労働審判において不利な心証が形成されてしまうNG行為は以下のとおりです。

  1. 審判委員会からの質問に答えない
  2. 審判委員会の発言を遮る・無視する
  3. 自己中心的な価値観を露呈する
  4. 感情的になる
  5. 自信のない態度で発言する

まとめ

以上のとおり、労働審判を申し立てられた場合には、迅速な対応、広範な労働法知識、事実関係の適切な整理、経験値に基づく事件の落としどころの検討等、限られた時間で適切な行動が要求されるため、申立て直後や申立ての予兆を感じられたらあらかじめ弁護士に相談することをお勧めします。

本江法律事務所では、労働審判についての豊富な経験や、所属弁護士の多様な専門知識に基づき、依頼者様の納得のいく問題解決をご支援いたします。労働問題でお困りの際には、ぜひ一度ご相談ください。

 

記事作成:弁護士法人本江法律事務所 弁護士 瀬戸山 大雅

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2006年弁護士登録以来、企業法務、事業再生・債務整理、税務関係、交通事故、消費者事件、知的財産権関係、家事事件(相続・離婚その他)、
その他一般民事、刑事事件、少年事件に取り組む。講演実績は多数あり、地域経済を安定させる、地域社会をより良くしていくことに繋がる。
こう確信して、一つ一つの案件に取り組んでいます。

※日本全国からのご相談に対応しております。

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